平成16年10月23日の新潟県中越地震の報道で倒壊した住宅が何度も映し出されています。もしあんな地震が起きたらあなたの家は大丈夫ですか?
建築科の高校と大学を卒業しただけで、資格と言えば2級施工管理技師の資格しか持ってない私ですが、住宅の耐震について思いつく事を書き連ねてみようと思います。
1.直下型地震
新潟県中越地震は震源地が内陸部にある直下型地震でした。震源の真上の地域では激しい縦揺れの衝撃が加わります。阪神淡路の時ビルの1階が完全に潰れ2階が地上付近に落ちていたような映像を見ましたし、今回も2階建ての木造住宅の1階部分が完全に破壊されがれきの上に2階部分が乗っかっている映像を目にしました。
正直言って直下型地震の対策は建物を軽くする事と柱を丈夫にするしかありません。とはいえ元々雪国である新潟の住宅は雪の重みに耐えるため柱も太い場合が多いものです。鉄筋コンクリート造の橋脚が縦方向の圧縮力によって破裂したような形で破壊され、鉄筋が露出している映像を見ました。
つまり、全く想定してないような巨大な力が加わったと言えます。
直下型地震に耐えうる強固な家を造るには非常識なほど丈夫くする必要がありますね。
2.免震構造
地震に耐えるのが耐震です。建物を強くして変形で壊れないようにする。または高層ビルのようにある程度変形して地震力を吸収する方法があります。
それに対し、免震構造は揺れそのものを建物に伝えない工夫をします。建物と地面の間に何枚ものゴムを入れ、それに振動を収束させるダンパーを併用します。いわば車のサスペンションと同じ考えですね。
その他ベアリングを利用した方法などいろいろな開発がなされているようです。
振動による家具の転倒などの被害も押さえられますし、内部にいれば体感的にも地震の揺れは非常に少ないそうです。阪神淡路の震災時、免震構造の建物の中にいた人はチョット揺れたなと感じた程度だったのに、他の建物の被害の様子を知って大変驚いたそうです。
理想的なのですが、どうしてもコストがかさみ一般住宅ではまだまだ難しいようです。また、技術的にも高度なものが要求されますので、大手ハウスメーカー以外で扱えるようになるのはかなり先のこととなりましょう。
3.制震構造
地震に耐える「耐震構造」建物そのものに振動を伝えない「免震構造」もう一つの選択があります。
いくら耐震補強しても建物の構造体自体は地盤の振動によって揺れますし、変形もあります。
その建物の振動を押さえるのが制震構造です。
地盤と一緒に建物は動きますから、内部、特に1階での振動は変わりありませんが、壁内に設置したダンパーなどの効果で建物自体の揺れを押さえる事ができて変形による破損や倒壊を押さえる事が可能です。
免震構造よりはコスト的にも有利ですし、今後一般住宅での制震構造化が増えてきそうです。
さて、この後は在来工法一般住宅の各部について耐震のポイントを考えていきます。
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