1.匠について 2.あの予算で出来るの? 3.スタッフについて 4.収録現場のお話
5.カメラのお話 6.テレビの宣伝効果 7.注意すべき事 8.終わりに

テレビ番組の製作スタッフは良い印象持っていない人が多いみたいですね。まあ、ワイドショーなんかのプライバシーを無視した傍若無人な振る舞いを見ていると無理もないと思います。でもアレがすべてではないんです。わがままなタレントのご機嫌を取りながらの収録、時には暴力団組事務所での収録など、華やかな世界の裏側で地味にこつこつとやる仕事で苦労も多いようです。

実際番組スタッフはきっちり挨拶も出来て、礼節をわきまえた人ばかりでした。撮影の都合で無理な注文を受ける場合もありました。でも、元々テレビ放映のための工事で、それを前提として引き受けたので、これだけは仕方ない。嫌な顔をせずに協力すべきです。
ディレクターさんはその辺りを心得ているのか仕事の邪魔をして申し訳ないと謝ってくれた事が何度もありました。お互いそれが仕事だから理解し合うべき事ですからね。理解し合い、互いの立場を尊重すれば物事スムーズに運ぶし、同じ事をするにも気持ちよく出来ます。
一番分かっていないのは匠かも知れません(笑)

スタッフの構成はディレクターを頂点にカメラ音声などの技術屋さん(ほとんどの場合外注になります)現場に常駐するAD(アシスタントディレクター)現場には顔を出さないけどプロデューサーももちろん必要ですし、局と現場、依頼主の仲立ちをするAP(アシスタントプロデューサー)収録した映像を編集するのは別途編集ディレクターなど実に多くの人たちが関わっています。

我々現場の者と一番多くするのはADさんです。現場が決まると工事開始から終了まで現場に常駐しています。日本全国数ヶ月ごとに移動し、ジプシーのような生活を強いられて大変でしょうね。その代わり全国の美味しいものを食べ歩いているみたいですけど(笑)

そして、4〜5回程本格的な撮影スタッフが入ります。普段はADさんが家庭用カメラの最高級クラスのカメラで撮影するんですが、工事の節目、重要な部分では「ENG」そう、時々見かけるあの大きいカメラが入ります。番組の予算でそう何度も入れることは出来ないそうです。ほとんどの場合これは外注になるそうです。技術を売りにしている専門家の方が局に雇われているカメラマンより上手いそうです。当然局に関係なく依頼のあった仕事をするそうです。

ディレクターは常駐するわけではなく別の仕事と掛け持ちをするみたいです。こちらも局専属ではなく外注の場合もあるようです。数人のディレクターが番組の出来を競い合っているそうです。もちろん番組の出来であって「如何にに視聴者を感動させるか」が問題です。そこに嘘があってはいけないと仰っていましたが、カメラを通して表現出来る事は限られています。苦労も多いでしょうね。

それでは次は収録現場のお話をしましょう。次へ