1.匠について 2.あの予算で出来るの? 3.スタッフについて 4.収録現場のお話
5.カメラのお話 6.テレビの宣伝効果 7.注意すべき事 8.終わりに

テレビ取材の入っている建築現場なんて想像付きませんでしょうけど、実際は普通の現場と変わりありません。普通と違うのはAD君がいることくらいです。前のページでも触れましたが、工事中の様子などある程度は小型の家庭用DVカメラで撮ります。家庭用とはいえ最高級品を使用しますが、我々素人ではテレビ画面での区別は出来ません。番組のほんの一部で利用されるのだけど、工事期間中に10本はテープを使ったみたいです。

さて、現場の映像ばかりでは視聴者は飽きてしまいます。そこで必要なのが現場以外の場所多くの場合工場での加工風景です。私のところの加工場にもカメラが入りました。放送後何人かの知り合いから電話が掛かりました「あれって大工のとうちゃんさんのお宅じゃないの?」まあ、そんな程度で近所の知らない人から仕事の依頼なんてありませんでしたね(笑) カメラをセットして物々しい状態になっているところを見たお向かいさんは「いったい何があったの?」と聞いてきましたが。

AD君のカメラは特別なことはしませんがENGでの撮影は緊張します。野外ではレフ板使うし室内では照明を利用します。カメラを意識しないで仕事に集中しないと格好悪いので気をつかいます。番組見ていると変にカメラを意識している職人さんがいたりして笑っちゃいますからね。

しかし取材映像の放送時間は40分程度だそうですが、いったいどれだけの映像を撮った事やら、何度も取り直して苦労した映像も採用されなかったり、テレビの収録は本当に無駄が多いものだと実感しました。その無駄を省けないのがまた辛いところですけどね。きっと断腸の思いで取り貯めた画像を編集していることだと思います。

何度か書いている「ENG」なるカメラそのお話は次のページ