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2006-11-15 Wed
時々見かける質問で、
工事中、大工をはじめとする職人さんなどにお茶菓子を出す必要が
あるかどうか?みなさん悩むみたいですね。
ほとんどの場合は「どちらでも良い、自分の気持ち次第」
といった答えが返ってきます。
私の場合ももし聞かれたら「別になくても構いませんよ」
と答えています。
どうしてこのような風習があるのでしょう?
そのことについて少し考えてみたいと思います。
昔、大工は貴重な存在でした。家を建てるにも順番待ちで、
依頼しても実際に仕事にかかるのは数ヶ月から数年待ちなんて事も
多かったそうです。
だから大工は「家を建ててやる」お施主様は「建ててもらう」
そんな立場でした。大工さんの機嫌を損ねたら完成させてもらえなくなる。
だからご機嫌を取るために10時と3時にお茶菓子を出す。
これが一般的な見解だと思います。
私の場合、別の考えを持っています。
人の想念は時に思わぬ力を持つ物です。
それ故、心を込めて作られた物は魂が宿ると言われます。
そこに住む人の幸福を願い、誠意を尽くして仕上げていく、
そうして心を込めて造られた家は
安らぎを感じ、落ち着く住みやすい家になると思います。
逆にいろいろなもめ事などが原因で、工事をする人に
恨みや怒りの念が生じてしまったらどうなるでしょう?
恨みを込めて釘を打ち付けていく・・・・
その家は新築の時点から「呪われた家」となってしまうかもしれません。
良い家にするために施主が工事に携わる人に最大限の礼を尽くす。
そして、それに応える職人がいてこそ理想の家が出来るのではないでしょうか?
心を大切にしていた昔の人の知恵がこの風習の原点ではないかと思います。
そう考えてみると、最近の荒れた世の中は住宅の建て方にも原因の一部があるような気がします。
それは考え過ぎかな?
by 大工のとうちゃん
建築 : 20:29 : comments (2)
コメント
ジツさんコメントありがとうございます。
ホント最近は大工が軽く扱われて泣いていますね。
まあ、過去の歴史において「慢心」も有ったでしょうが、
きっちり真面目な仕事をしている者にとっては現在の状況は悲しいです。
でもね、心のこもった上質な仕事が出来るのは自分たちだけ、
将来の不安はあるけど、我々の良さを社会に訴えていきましょう。
(40代半ばを過ぎて今更転職できない困った人です σ(^^;) )
| 大工のとうちゃん | EMAIL | URL | 06/11/16 00:55 | P4qATtNY |
はじめまして、大阪で工務店経営の者です。初めて覗かせてもらいましたが、ホンマに大工の父ちゃんと同じ意見です。最近大工仕事も安さばっかり言ってくる人があまりにも多いですよね。家は大工が魂と愛着を込めて仕事し施主さんから信頼されて初めていい家が出来ると思います。それなのにローコスト住宅やリーズナブルタウン(建売)ばっか。いい家作りって難しいですよね。リフォームも同じ。ど素人の営業マンが建築仕事を取るし、これっておかしいと思うのですがねー。
皆で工務店、大工の地位向上しましょー。
(35歳子持ちのめちゃくちゃ先が不安なおっさんです。つらい。)
| ジツ | EMAIL | URL | 06/11/16 00:02 | jz98IhWY |
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