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新築編(大工の視点)-3-見積(リスクの負担)

さて、どんなところに依頼しても実際にはまず土地の準備、立て替えならば仮住まいの準備などがありますが、そのあたりは大工の範疇ではないので省略させていただきます。土地が決まったら設計士さんに要望や予算を告げてプランニングに入ります。私も建築科を出ているので基礎的なことは知っていますが、プランニングはまた別の機会にしましょう。

さて、予算を基に建築のプランができあがるのですが、実際には設計士さんの思ったとおりの値段では出来ないことも多くあります。
そこでプランと見積を照らし合わせていろいろ調整するのですが、これが厄介です。

他の業者はどのようにしているかわからないから自分の例を書きます。
図面をもらったら下請け業者さんに必要な図面を配布します。
各業者の見積を待つ間に自分が担当する大工工事の見積をします。
必要な材木等の拾い出し、工賃の算出など・・・どんなに根を詰めて計算しても実際の工事ではどうしても予定以上に手間や材料が掛かり、食い込むことが多いです。
それで、ある程度の余裕を持たせて見積を出すわけですが、ぎりぎりの線を上手く出すのは難しいです。
その他、工事全体での実行予算にも不測の事態に備えてある程度余裕が欲しい。また、見積をする手間だってかなり必要、その費用も工事費に盛り込まれます。
瑕疵責任についても元請には責任が及びます。そのリスクのための費用も必要です。まともな工事をしていれば不要なはずですが、重箱の隅をつつくようにクレーム下さる人も中にはいらっしゃいますし(高い買い物をするのだから気持ちは分かるのですが・・・)
こういった工事以外の費用が意外に多いのが辛いですね。
大手等なら、このほか営業経費や宣伝費などまだいろいろ乗ってきます。

しかし、競争の激しい昨今、どうしても値引き合戦となってしまいがちです。
極力経費などを削ってもまだまだ足りません。そこで矛先は下請け業者に向けられます。いわゆる「下請け叩き」です。極限まで値段を削られそれでもさらに無理な値引きを求められます。そりゃ職人の給料も下がりますし、下請け業者の親方は自分の取り分無くなったりすることも・・・。
もちろん建築会社も監督さんの給料などはかわいそうな物です。

こんな状態が長く続き建設業界は構造的に崩壊寸前だといえるでしょう。
もちろんこんな環境で良い建物は出来ないですね。
理論上は問題なくても心のこもってない家なんか嫌ですね。
冷凍食品より手作りの家庭料理の方が長くつきあえます。
まだそれならマシ、厳しい環境の職人や監督の悲しみや怒りの織り込まれた建物なんて・・・・・・ヤダ。
この辺の心理は過去の記事「お茶出しは必要?」も参考にしてください。

「とにかく安い方の会社で」その考えはお客様も大きなリスクを負う可能性がある。安いことの真っ当な理由があるかしっかりと確認してください。
自転車操業でとにかく仕事を取って回していかないと倒産してしまう。そんな会社に頼んだら工事途中で夜逃げされるかも。

現場::新築編 : 23:54 : comments (x)
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